片耳?両耳?装用耳の選び方
補聴器は価格・タイプ・形が様々です。
どんなタイプの補聴器を選んでいいのか、価格はいくらくらいのものがいいのか?また補聴器のメーカーも多数あり、自分に合ったメーカーはどこなのか?
ご自分で判断するのは難しいです!!
補聴器の購入を検討する前に、まずは自分の聞こえの状態を把握しておきましょう。
そこでまずは、耳鼻科医に相談してみましょう。
難聴の原因も様々なので耳鼻科医の診察を受けることをおススメします!! 例えば聞こえが悪くなっている原因が耳垢詰まりの場合などもあるので耳垢を除去すると聞こえが戻ることもあります。
診断の結果 難聴と診断されたら、聴力データを持参して補聴器店などに行きましょう!
難聴の種類
難聴の種類は大別して3種類に分けられます
- 伝音性難聴 外耳から中耳にかけての伝音器の障がいによる難聴
- 感音性難聴 内耳から聴神経、脳中枢にかけての感音器の障がいによる難聴
- 混合性難聴 伝音器と感音器の双方に障害がある難聴
聞こえ具合の目安と難聴のレベル
聴力低下は、年齢とともに誰にでも起こりえることで早い方では30歳過ぎから徐々に低下していくようです 聴力検査などで25dBを下回ると難聴といわれます。
軽度難聴 25dB~40dB
小さい会話のみ聞き取りにくい。
静かな場所での女性の4~5名くらいの集まりで声が小さい人の話を正確に理解できない。
また10名程度の広めの部屋の会議・集まりで発音が不明瞭な話者(声が小さい・滑舌が悪い)の話を正確に理解できない。
中等度難聴 40dB~70dB
普通の会話でしばしば不自由を感じる。
大きい声で正面から話してもらうと会話を理解できる。
話を正確にできないまま相づちをうつことがある そのため社会生活のでは孤立しがちになりやすい。
中等度難聴でも60dBを超えると大きい声でも聞き取りにくいことがある。
耳元ではっきり話される言葉のみ理解できる。
高度難聴 70dB~90dB
非常に大きい声か 補聴器装用による会話のみ聴取できる。
会話が聴取できても聴覚のみでは理解できないことが少なくない。
重要な内容の伝達ではメモの併用が必要になる。
重度難聴 90dB~
補聴器で会話音を十分に大きくしても聴覚のみで内容を理解できない。
筆談や読話の併用が必要になる。
上の図は聴力データです。
まずは縦軸から 聴力レベル、つまり聞こえの度合いを表しています。
横軸は周波数で音の高さを表しています。
左端の125Hzは低い音、右端の8000Hzは高い音です。
右耳は赤い○印で、左耳は青い×で表しています それぞれ気道聴力をあらわしています。
気道聴力は音が耳穴から入り鼓膜を伝わって聞こえてくる音のことです。
カギ印のこれは骨導聴力で頭蓋骨を振動させて測定しますので内耳より奥の聞こえを表しています。
両耳装用? 片耳装用?
難聴が確認されて補聴器を試す場合 両耳でつけたほうがいいのか 片耳だけで大丈夫なのか?
両耳装用はいろいろな方向からの複数の話者の話を正確に聞くことが必要な状態で適しています。 例えば、会議・授業・やや雑音のある環境下で有効です。
ただし片耳装用で十分に会話が行えるのであれば方耳装用でもよい 方耳装用の方が補聴器使用による疲労が少ないといわれています。
普段は片耳装用でも大事な会議・会合でのみ両耳装用することが有効な場合もあります。
両耳装用の効果
音の方向や位置がわかりやすくなる
方向感は左右の耳に届くほんのわずかな音の大きさと時間差を感知し、それを分析することで得られます。
騒音の中での会話は片耳装用より両耳装用の方が聞き取りやすい
カクテルパーティー効果と呼ばれるもので周辺の雑音レベルが高いにもかかわらず、話を聞きたい相手の声が聞き取れる現象のことです。
これは両耳に入る音の違いを分析することでこの効果が得られます。
両方の耳から音が入るので、片耳で聞くより自然に聞くことができる
人間は左右一つずつ耳があり、その耳から音を聞くので、当然両耳から音を拾うほうが自然な状態と言えるわけです。
言葉がより理解しやすい
人間の脳は両耳から音が入ったほうが音を処理しやすくなるので言葉も理解しやすくなります。
両耳に入るわずかな違いを手がかりとする事で似た音と区別することができるからです。
聞こえの回路の劣化を防ぐ
耳に入った音は神経を通って脳で言葉として理解するので、耳に十分な音が入ってこないと神経が劣化してしまいます。
補聴器で再び音を入れても劣化してしまった神経は回復しない場合があります。それを防ぐ為に両耳に音を入れていたほうがよいのです。
両耳装用のデメリット
両耳装用ではコストがかかる。
風切音が片耳装用より耳につきやすくなる。 わずかな風でも補聴器は雑音として拾ってしまう。
高齢者には片耳でも難しい取扱いがさらに困難になる。
耳閉塞感 補聴器で耳を密閉されてしまうと耳閉塞感を生じやすい 。
片耳装用のデメリット
補聴器をしない耳は刺激をうけない、そのため言語聴取能力が悪化し遅発性の聴覚の廃用といわれる状態が引き起こされる。
つまり片耳装用で非装用耳の言葉の聞き取り能力は数年のうちに劣化してしまう。 これは小児でも中年でも高齢者でも起こりうることです。
片耳装用の方が良い場合
補聴器は必ずしも両耳につけたほうが効果があるわけではありません!
どのような場合に片耳装用の方が良いのか。
○左右の耳の聴力に大きな差がある場合
例えば 片方の耳はほぼ健聴である場合、もしくは片方の耳の聴力が大きく低下していて補聴器の効果が見込めない場合。
○脳梗塞やメニエール病など聴覚神経にかかわる箇所の腫瘍で補聴器を装用すると響いたりするなどの不快感を感じる場合 片耳装用の方が違和感を感じずにいられる場合
片耳装用のポイント
良く聞こえる側の耳を補聴する場合と聞こえの悪い側の耳を補聴する場合があり、どちらの側に装用するかは聴力と試聴した結果どちら側に装用するかはお客様の判断にゆだねられるが、良く聞こえる側を選ぶ場合は補聴器を着けないほうの耳は補聴効果が見込めない場合が多い。
聴力の悪い方選ぶ場合は、補聴効果が見込められること、また聴力の衰えるスピードを遅くすることができるメリットがあります。
片耳装用から両耳装用
補聴器を両耳で装用するのは金銭的な負担もあって、まずは片方をつけて、後から両耳装用にする場合もあります。
また最初に試聴した時に両耳装用だと圧迫感やこもり感があった場合に方耳で慣れてから両耳につける場合もあります。
片耳から両耳装用を試す場合は、まずは試聴をする事をおすすめします。静かな環境から試して、両耳装用に少し慣れてきたら仕事場などで試すのがよいでしょう それで効果があれば購入を検討するのがよいでしょう。